研磨用語辞典

Dictionary

バレル研磨

バレル槽にワーク(工作物)、メディア(研磨石)、水およびコンパウンドを装入し、回転や振動を与えてワークとメディアとの間に相対運動差を生じさせ表面仕上げをする加工方法をバレル研磨と言う。
バレル(barrel)とは樽の意。

回転バレル

バレル槽の中にワーク(工作物)とメディア(研磨石)を入れて、バレル槽を回転させることにより研磨を行う装置。バレル槽の形状は、主に六角形・八角形になっています。

遠心バレル

自転するバレル槽により、その全体を公転させる型式。
小さなワーク(工作物)に適しており、研磨する力は回転バレルに比べて非常に大きい。

湿式バレル

バレル槽の中にワーク(工作物)とメディア(研磨石)を入れて、バレル槽を回転させることにより研磨を行う装置。バレル槽の形状は、主に六角形・八角形になっています。

メディア

バレル研磨加工においては、一般的に研磨石のことを指す。
ワーク(工作物)のバリ除去をおこなったり、削ったりするものを指し、セラミック、金属、樹脂、天然素材など様々な材質と形状があり、加工目的に合わせて使い分けをします。
エアブラスト加工においては投射材のことを指します。

研磨材

メディア(研磨石)や砥材、あるいはその総称。

砥粒・砥材

ワーク(工作物)の中に配合するもの。研磨するための切刃の役割をする。

コンパウンド

バレル研磨に使用する洗剤。湿式バレルに使用します。
液体と粉末のものがあり、研磨力を向上させる、光沢を出す、油分を除去する、防錆をする等、用途目的により使い分ける補助剤です。

ワーク

処理する対象となる製品(工作物)。

素材

加工前のワークや加工前の材料表面のこと。

研磨量

ワーク(工作物)を研磨する量で研磨前のワーク重量から研磨後のワーク重量を差し引いた重量減をいう。
加工条件により、その調整を行う。

マス

バレル槽に投入するワークとメディアの塊の総称。

マス装入量

処理可能なワーク(工作物)とメディア(研磨石)を合わせた量。

装入量

バレル槽にマス(ワークとメディア)を投入した際の、バレル槽の容量に対するマス容量の割合。

バッチ処理

ロットごとあるいは一定数量での一括処理をいう。
ワーク(工作物)をバレル層に入れて、一定時間行なう処理のこと。

タクト処理

「バッチ処理」に対して、ワーク(工作物)を1個ずつ連続して処理すること。

機内洗浄

バレル槽内でワーク(工作物)を洗浄すること。

バリ取り

成形や機械加工等により発生したバリを除去すること。バリ(burr)とは、切削加工やプレス加工によりワーク(工作物)のエッジ部に生じた不要な突起(バリ)を取り除く処理のこと。

R付け

ワーク(工作物)のエッジ部分に丸みをつけることを言い、表示はmm(ミリ)で表す。

光沢仕上げ

平滑性が高く、光って艶のある状態に仕上げること。

スケール

鉄鋼を熱処理したときに付着する青黒い酸化被膜のこと。

スケールオフ(デスケーリング)

酸化被膜を除去すること。

スマット

バレル研磨後のワーク(工作物)表面に着く黒い皮膜状の汚れ。

防錆

ワーク(工作物)に錆止めの処理をすること。

脱脂

ワーク(工作物)の中に配合するもの。研磨するための切刃の役割をする。

共摺り

バレル槽にワーク(工作物)とコンパウンド、水のみを投入し、メディア(研磨石)を使用せずバレル研磨加工を行うこと。新しい研磨石は表面が粗く、バリがあったりする場合があり、バレル研磨前に研磨石だけをバレル研磨機に投入し研磨、面取りを行なうこと。また、ワーク(工作物)だけで研磨する場合も共摺りと言う。

選別

マス(工作物+研磨石)をワーク(工作物)とメディア(研磨石)に分けること。

表面粗さ

ワーク(工作物)表面のミクロな凹凸のこと。表示は?(マイクロメートル)で表す。

圧痕

一般的には、バレル研磨中に研磨石が押されたり、圧力を加えられたり、強く当たってできる跡。

変形

必要以上に力が加わることにより発生し形状が変化すること。

重なり貼付き

薄い形状のワーク(工作物)が水分の表面張力により、ワーク同士が重なって貼付くこと。

2次バリ

バリ取り処理をしたことで発生した、新たなバリのこと。

寝込み

バリが上手く除去できずに、バリがワーク(工作物)側に倒れて残ってしまった状態。

つまり

ワーク(工作物)の穴や隙間にメディア(研磨石)が挟まり、取れなくなってしまった状態。

残紛

ワーク(工作物)に残った粉塵。

カケワレ

メディア(研磨石)の角部が欠けたり、部分的に割れたりすること。

相対運動差

重さや形状の違いによりワーク(工作物)とメディア(研磨石)に摩擦を生じ、それによる運動量差をいう。

対辺距離

バレル槽の内壁間の距離。

流動・流動層

バレル槽内でのマス(ワークとメディア)の運動する流れ。
バレル槽内でマスが流動した際、表面に厚みをもった層を形成します。その層を流動層と言いバレル研磨機では、流動層でワークとメディアに相対運動差が生じることで研磨されます。

摩耗量

メディア(研磨石)がバレル研磨によりすり減る量。

エアブラスト

コンプレッサーで作った圧縮エアにより、ガラスビーズなどの投射材を吹きつけるブラスト装置です。

集塵機

エアブラストには、粉塵の集塵、不純物を分離、加工機内で投射材を循環するための集塵機をエアブラスト加工機とともに設置します。
エアブラストでは、噴射され投射材は集塵機の吸引力により装置内で循環します。
循環過程で、投射材と異物に分離され噴射を繰り返す仕組みの装置です。

ガラスビーズ

ショットブラスト加工で使用する投射材の種類のひとつで、球状で切削作用は、ほとんどありませんが、粒度が豊富で用途も多く幅広い製品に適しています。
精密加工の製品には、小さなバリ取りにはとても向いています。

アランダム

バレル研磨やショットブラストで使用する砥材・投射材の種類。アルミナが主成分。

ホワイトアランダム

ショットブラストで使用する砥材の種類。

サイクルタイム

1つの工程を実施する時間。

リードタイム

加工に関する作業の開始から終了までに要する時間。

混合比

ワーク(工作物)とメディア(研磨石)の容積比率。

平滑仕上げ

ワーク(工作物)表面の山部分を削り取って、平らな面にする仕上げ。

粗仕上げ

表面が粗くなる仕上げ。

鏡面仕上げ

平滑性の高い、鏡のような仕上げ。